『奪還者』を見逃した自分に喝!これは”初代”『マッドマックス』の完璧なるオマージュだ!

2016年度アカデミー賞も終了し、気がつけば『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が6部門受賞。いやはや、偉業でござった。映画ファンやSNSの間では話題沸騰なタイトルですが、若い人は過去作品を観ていない人も多いかと思います。

因みに筆者は『怒りのデス・ロード』よりも初代、そして2作目の方が好きなのです(怒りのデス・ロード信者の方、怒らないでね)。3作目?その話は止めてくれないかね君

4作目『怒りのデス・ロード』からマッドマックスを知った若い人が過去シリーズを観ると「期待していた映画と違う!」「しょぼっ!」と思った人も多いと思います。それは否定しません。面白さでは間違いなく「怒りのデス・ロード」なのですが、愛せるのは圧倒的に1、2だと思うのです。

『2』はその世紀末溢れる世界観が大反響を呼び、北斗の拳を始め様々な影響を多方面に与えました。ですが初代の無常観溢れる空気感とストーリーも素晴らしく、この初代へのオマージュは『2』に比べるとあまり多くない気がします。

ですが、その初代の血を本家シリーズ作品以上に最も色濃く受け継いだ傑作が2014年に登場しておりました。その作品こそ日本で2015年に公開された『奪還者』です!

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一部のコアな映画ファン、アクション映画ファンでは観た人もチラホラいますが残念ながらあまり観ている人が多いとは言えません。『怒りのデス・ロード』で盛り上がるのもいいけど『奪還者』でも盛り上がって欲しいので本作の魅力を骨の髄までご紹介します。

なんか悔しいんで。そして劇場に足を運ばなかった自分を過去に戻って断罪したい。

◆ベーコン先生がガキに車奪われご立腹ならガイ・ピアースはチンピラに車奪われ怒髪天!

世界経済の崩壊から10年、オーストラリアの地は鉱物資源を求める無法者たちが暴れ回っていた。すべてを失い、唯一の財産は命より大切な愛車だけというエリックだったが、その愛車がヘンリー率いる強盗団に奪われてしまう。

あらゆる手段を使って車の奪還を試みるエリックが強盗団を執拗に追いかける。その追跡の途中、強盗中に撃たれ、瀕死の重傷の状態で現場に置き去りにされたヘンリーの弟レイと出会う。さらなる追跡を続けるエリックとレイの間に、いつしか奇妙な友情が芽生え始める…(映画.comより)

まずこの作品、舞台が荒廃した近未来のオーストラリア。そしてオーストラリア製作作品。どうですかこの溢れ出すマッドマックス感。

マッドマックスの初代はまだ現代的な世界観が残っていましたが、『2』ではいきなりファンタジーになるくらい世界観が変わっており1と2の時間の間に何があったんだと思うくらいの変わり様です。はっきりいって別の映画です。

しかしこの奪還者は世界崩壊から10年後くらいの荒廃したオーストラリアを舞台としており、映画から流れる無常感溢れる雰囲気も相まって初代マッドマックスと2のちょうど間くらいのテイストと言えるでしょう(主人公が過去のことで何かを抱えている点で)。

主人公が車をチンピラに奪われて、そのチンピラを追うだけの映画です。ある意味ロードムービーとも言えます。「俺の車返せムービー」と言えば最近ではベーコン先生の『コップ・カー』がとりわけ話題ですが、その流れで観るのもありではないでしょうか(無理矢理な便乗)。

主演はオーストラリア出身俳優のガイ・ピアース。『L.A.コンフィデンシャル」で同じオーストラリア出身のラッセル・クロウと共にハリウッドに殴り込んだ彼ですが、コンスタントに活躍しながらもラッセルに比べると水をあけられている感も。

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▲『L.A.コンフィデンシャル』は筆者の大好きな映画の一つ。皆輝いていた!

好青年役やイケメン的な配役が多かった彼ですが最近は汚れ役も演じ幅が広がっております。今回の奪還者ではそれはもう超汚れ、枯れ役!清潔感なし、慈悲なし、愛想なし!そして超面倒臭そう!でも何か影のある役を演じきっており、彼の新境地ではないかと。これが実に『怒りのデス・ロード』のトム・ハーディよりもよっぽどマックスっぽいのです!

この映画は主人公と、チンピラ一味に捨てられた青年がひょんなことからタッグを組んでチンピラ共に復習する話。「俺の車かえせえええええ」だけで映画は語れはしますが、お笑い要素は皆無。ひたすら男臭い。

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▲ガイ・ピアースは言わずもがなでしたが助演のロバート・パティンソンも難しい役柄を好演!

この映画の魅力を出来れば伝えたいのですが、ネタバレは避けられないので是非とも観て欲しい!何故主人公はそのオンボロ車にここまで執着するのか?語りたくなる映画です。初代マッド・マックス魂はここにあった…『ザ・ゲスト』『ドライヴ』が好きな人にもオススメです。

個人的2015年ベスト10に今更ながらランクイン!「2015年映画館で観なかったのを後悔した作品」部門ぶっちぎりのナンバーワン!チクショー過去に戻らせておくれ!

 

書いた人:桑江 良輔

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エンタメ系IT企業を退社した後にBar店長に転身。本業とは別にクラブを使った映画サントラDJパーティーの開催や映画トークイベント、野外映画フェスにトーク出演等の 映画関連イベントに多く関わる。

2013年には立川シネマシティにて世界初の「パシフィック・リム絶叫上映会」を個人で企画。発売日即日完売と大反響を呼びその影響は全国に飛び火した。

高級炊飯器を買おうか悩むも最近またBlu-rayディスクを集めだしたので手に入るのはいつになるやら。通称“店主”。

桑江良輔Twitterアカウント

 

 

 

 

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