東京国際映画祭プレイベント開催!上映予定作品は『残穢 住んではいけない部屋』

いよいよ10月25日から東京国際映画祭(TIFF2016)が始まります。

映画祭開催に先駆け、プレイベント上映会と同じ時期に開催されるみなとシネマフェスティバルの運営をチーム・ファンダンゴがお手伝いしてます。

▼プレイベント上映会とは

10月25日(火)から10日間にわたり、六本木をメイン会場として開催される第29回東京国際映画祭を前に、昨年度のフランプリ受賞作品とコンペティション部門の話題作品を上映します。

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http://2016.tiff-jp.net/news/ja/?p=35156

▼みなとシネマフェスティバルとは

港区にゆかりのある作品や東京国際映画祭の過去の受賞作品等を一挙に港区の区民センターで上映し、港区全体で映画祭を楽しむイベント「みなとシネマフェスティバル」を初開催します。

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http://www.kissport.or.jp/event_detail.php?eventid=00001596

まずは「プレイベント上映」で上映される映画『残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋-』をファンダンゴライターの玉澤独自の視点でご紹介致します!

▼想像力との戦い〜中村義洋監督からの挑戦状『残穢 住んではいけない部屋』

「事故物件」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

言葉は知っていても詳しい内容まで知らない人がほとんどだろう。事故や事件に関係なく、物件に関わる何かしらの問題を抱えた物件のことを事故物件という。

人の死に関わる問題が起きた物件に関して不動産会社は入居者にその説明をする告知義務が生じるが、人の死に関わらない事故物件に関しては説明の必要がない。

事故物件について取り扱う大島てるというホームページを活用して東京都内で事故物件が多いところを「膝と相談させてください」というホームページが調べてみたところ、事故物件が多い場所として挙げられるのが東京都港区なのだ。

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▲これがかの有名な事故物件サイト「大島てる」。その無機質さに妙な不気味さを感じる…

さて、自分の住んでいる場所についてきちんと知っている人は一体どの位いるのだろうか。というより自分の今住んでいる土地に興味を持っている人はどの位いるのだろう。少なくとも私は今住んでいる場所で何が起こってどんな人が住んでいたか知らない。

おそらくほとんどの人が私と同じ感想を持つのではないだろうか。しかしながら、中村義洋監督作品『残穢 住んではいけない部屋』を観るとそんな呑気なことは言ってられなくなる。

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「畳の擦るような音がするんです」この一言から物語が動き出す映画『残穢 住んではいけない部屋』は小野不由美の小説が原作のミステリーとホラーを兼ね備えた作品だ。ホラーといえば幽霊や化け物から直接的な接触や物理的な攻撃を受けるイメージが多いと思うのだけれど、この作品は一味違う。

小説家の「私」の元に部屋から不気味な音がすると読者の「久保さん」から手紙を受け取り、興味を惹かれ一緒に調査する。だが自分の部屋もとい住んでいるマンションから自殺者、事件が起こったことは一切ないという。

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ではマンションができる前はどうだったのか。「私」と読者の「久保さん」はその土地周辺を調べていくというのが大まかな筋だ。この筋を読むと「おや、これはホラーなのか? 謎解きストーリーではないか?」と思ってしまうかもしれないけれど、安心して欲しい。これはミステリー要素を含んだ立派なホラーである。

「私」と「久保さん」は調査をしていく内に、不気味な音の正体は意外な事実と繋がっていくことに気がつく。読者の皆さんは子供の頃や学生の頃に怪談話をしたことがあるだろうか。怪談話というのはストーリーが違っていても探ってみると実は深層部分の根は同じだったりすることがある

この作品は超常現象と現実世界の答え合わせをすることによって得た新たな情報で寒気がするのだ。新たな情報を得るたびに恐ろしくなる容赦のなさ。繋がるなんて思ってもみなかった出来事を頭の中で照らし合わせた瞬間、思わずぞっとする。想像してしまうのである。そこで何があったかを。自分はとんでもないものを目の前にまで引き寄せてしまったことを後悔するのだ。

正直言ってしまって『残穢 住んではいけない部屋』は映像を見ているだけではそこまで恐怖が伝わらないと思う。

自分の頭の中でどれだけ整理して物事を想像できるか。ふとした瞬間、家に一人でいる時、誰もいないのに物音がする。非通知で電話が鳴る。そう行った経験をした時に初めてこの作品本来の恐怖が現れる。誰もいないとわかっているのに「そこにはいない誰かがいる」と思い浮かべてしまう。なんでもない日常が嫌でも非日常へ変化してしまう。そんな呪いを監督は私たちにかけるのだ。これは監督から私たちへの挑戦状だ。

映画を見終わった後、家に帰った時に自分の想像力でどれだけ世界が変わるのか。その監督から感じられる映画への姿勢は私たち観客に殴りかかってくるように力強い。

監督は劇中の音にかなりこだわったらしく、効果音に頼らず撮影した。そのおかげか床の軋む音、擦っている音は非常にリアルで想像力を引き立てる。原作小説を忠実に、より目に見えてわかりやすくした。それがさらに私の恐怖への想像を掻き立てる。

結局、恐怖心は人間の作り上げた業の深さによって決まるのだろうか。自分は大丈夫と思っていても案外近くに触れてはならないものが潜んでいるということだ。今この文章を読んでいるあなたの住んでいる部屋あるいは家全体に何かあるかもしれない。『残穢 住んではいけない部屋』という作品はそういった日常に潜んだ恐怖を描いた作品と言える。

よくホラーだからやめようとか苦手なジャンルだから見るのをやめようなど食わず嫌いをしている人たちを見かける。そういう人たちほどホラー映画は見て欲しいと個人的に思っている。怖いだけがホラーではない。私たちを怖がらせる以上にそこにはドラマがあって教訓があるのだから。

※参考文献

しゃも「膝と相談させてください」から「都区内危険地域マップを作ってみたよ」(最終閲覧日2016年7月13日)

http://shimesaba.dyndns.org/?p=17153

残穢 住んではいけない部屋』オフィシャルサイト

そしてもうひとつの上映作品、第28回東京国際映画祭 コンペティション部門東京グランプリ、最優秀女優賞(グロリア・ピレス)受賞作品『ニーゼ』も見逃せない!

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