胸に刺さるのは就活生だけじゃない!『何者』は人生を諦めた奴をボコボコにする青春映画だ!

すっかり秋めいてきた今日この頃。今の季節、何を着たら良いのか正直よくわからない玉澤です。気がつけばパーカーを着続ける女になっています……嗚呼、パーカーって素晴らしい!

そんな玉澤の服事情は置いといて、10月15日(土)より朝井リョウ原作で三浦大輔監督の『何者』が公開されました。

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就職活動について描かれた作品で就活生からは

「もう就活したくない!」「地獄!」「就活中に観たら胸に刺さる!」

の声が続出の今作。「ふーん。じゃあ就活生以外は響かんのかあ」と思ったそこのあなた!そんなことはありません。むしろ就活生以上に今を悩む人たちに響きます。

私こと玉澤は生まれてこの方、就職活動をしたことがないしがないフリーター……ですが、がっつりばっちり胸に突き刺さりました。

その理由について紐解きながら今回は『何者』について紹介したいと思います!

 

▼簡単なあらすじ

就活中の男女5人が協力し合い内定を決めようと情報を交換しあったり慰めあったり奮闘します。しかし内定を決めた者が現れると徐々にお互いの関係性や本音があらわになっていく… というお話です。

やっぱり就活がメインじゃん! と思うのですが、注目していただきたいのは佐藤健演じる拓人の存在です。

◆中途半端な存在の拓人

拓人ですが、就活以前は何をしていたのかというと学生演劇をしていました。

親友と言ってもいいくらいの子とずっとお芝居を続けていくと信じていたにも関わらず、拓人は仲違いをしてお芝居を辞め就活を始めます。

脚本を書いていたこともあって、周りを冷静に分析して状況を把握する能力に長けているせいか、周りのことを馬鹿にしています。でも本当は自分に自信がないし、どうなりたいかよくわかっていません。

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ぶっちゃけ、よくわからないからとりあえず就活するっていうのがあるんだろうなと思います。ていうか二十歳そこらで将来どうしたいかなんて決められるわけないじゃないですか。私だってそうだし。でも特別な存在でいたい。

そんな思いがあるからか、自分だけは他の奴らとは違うという歪んだ自意識を持って拓人はTwitterの裏アカウントに周りの悪口を書き込んでしまう始末。非常に痛々しいです。

このあたりの描写を三浦大輔監督は緩やかに丁寧に表現しています。

ちなみに三浦大輔監督は自分の戯曲『愛の渦』を映画化していて、現実には奇跡も魔法もないんだぞということを上手く描く人です。こちらも必見!

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周りがどんどん内定を決めていき、自分のやりたいことをきちんと理解する人たちがいる中でまだ何も道が決まっていない拓人。当然焦る。

本当は演劇が好きなのに。恥ずかしいからやらない、食べていけないからやらない選択肢を取ってしまいます。

好きなものに対して素直になれない状況ってありませんか? 現実問題との兼ね合いで辞めてしまったり、続ける選択肢を外してしまったり……おそらく、大体の人がその選択肢を迫られ受け入れる。

その折り合いをつけられた人が就活または自分のやりたいことを成し遂げることができるのだと思います。それが上手くできない拓人は就活も上手くいかないし、演劇からも逃げて一人苦しみ追い詰められます。

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でもその気持ちが痛いほどわかるし、逃げても最終的にその演劇という存在は自分について回ります。就職するか、演劇するか。はたまたちゃんと折り合いをつけるのか。

これは拓人、そして現在生き方について悩んでいる私自身に迫られる選択肢であるのです。

中途半端になんでもやってみよう精神では人生上手くいきません。人生そんなに甘くない。

やりたいこともよくわからないでプラプラしている人間には非常に刺さるお話であります。

 

◆表現者にとっての救い

こまで書いて既に胸が痛い私ですが、救いもあります。それは有村架純演じる瑞月というキャラクターの存在です。まるで天使のようで、終盤、拓人に向かってある台詞を吐きます。

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その破壊力は凄まじく、きっと表現をすることが好きな人、仕事にしている人は救われる言葉だと思います。ぜひスクリーンで確かめて欲しいです。そして泣け。

決して目に見えた形の明るいエンドではないのですが、あの言葉のおかげで拓人はほんの少し前向きに希望を持って変われたのではないでしょうか。自分のやることに責任を持つ覚悟を。

見終わった私も拓人と一緒に覚悟を決められた気がします。あんなにエンドロールが短く感じたのは初めてです。中途半端に顔をぐしゃぐしゃにしてしまった私は後日パンフレットを売店に買い求めに行きました……。

観に行く人はエンドロール前から泣いておくんですぞ!

 

by 玉澤千歩

 

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