埋もれた大傑作海外アニメ!きらめくメキシカンファンタジー『ブック・オブ・ライフ』

2016年ももう終盤に差し掛かり寒さが増している昨今、映画業界は年末構成に向けてラストスパートを仕掛ける頃になりました。

今年は正にアニメ映画大旋風の年!『君の名は。』の空前の超大ヒット、『名探偵コナン 純黒の悪夢』『聲の形』等の日本産アニメも奮闘。ハリウッドでは『ファインディング・ドリー』『ズートピア』『ペット』等のファミリー向け映画がそれぞれ3〜5億ドル(!)の世界的大ヒットとアニメはやはり強かった…

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▲上記作品群でも筆者のお気に入りは『ペット』!動物好きにはタマラナイ。サントラも買っちゃいました!

そんなアニメ旋風が巻き起こるなか、ひっそりとDVDが2015年度末にリリースされた海外劇場版アニメがありました。観ている人が周りにいないため、どんなものかと思い興味本位で鑑賞…

 

これがとんでもない超傑作でした!

 

その作品こそブック・オブ・ライフ』!!これは凄いですよ!!!

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みんな知らない?私も画像を見たことあることぐらいでした… 2014年、アメリカで公開。監督はこれが監督デビューのメキシコ人アニメーターホルヘ・グティエレス。プロデューサーはあのギレルモ・デル・トロが関わっております。

メキシコでは盛大に開催される祝日・死者の日をベースに、メキシコ的陽気さと豪快さ、そして情熱に乗せてノンストップで繰り広げる、笑いあり、涙あり、愛あり、冒険ありの極上のエンターテイメント!近年のディ○ニーやピ○サー、ジ○リはこの作品を観て出直してきなさい!決して言い過ぎじゃないぞ!

こんな素晴らし過ぎる映画が全然知られてないなんて冗談じゃねえ!筆者がかつてない意気込みで本作品の魅力を紹介致します。少しでも多くの人に興味を持ってもらうために!うおおおおお

 

▼おもちゃ箱のような世界観とパワフルかつ愛らしいキャラクターで魅力爆発!

あらすじはこんな感じ⬇︎

人間界とは別の2つの世界を統治する神(?)同士がとある賭けをする。それは人間界にある”世界の中心地”メキシコに住むマノロとホアキンのどちらが将軍の娘・マリアと結婚するかというもの。

その賭けに翻弄されながら音楽家を夢見る”牛を殺せない”闘牛士一族の末裔・主人公マノロが、3つの世界を股にかけ冒険する!愛とは、家族とは、自分で人生を切り開くことの大切さとは何かを教えてくれる、一大メキシカン・アドベンチャー!

「超メキシコ風のファンタジー世界を舞台にした冒険活劇」と聞くとあまりピンと来ないと思いますが、これがゴージャスかつエネルギッシュでめちゃくちゃパワフル!ストーリーは約95分というコンパクトな尺ながら内容はめちゃくちゃ濃く、実に無駄がない。王道的ながらありとあらゆる要素が詰まっております。

登場するキャラと世界観はブリキのおもちゃや人形のような出で立ち『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の影響がかなり大きく、その世界観が好きな人には入りやすい内容ではないでしょうか。

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▲死者の世界は実にゴージャスでまるでゲームの世界のようで楽しそう!映画館で是非とも観たい!

特に筆者が本作の魅力をひとつだけあげるとするなら、その立ちまくりなキャラクターたちでしょう!隅から隅まで、本当に全キャラクターが魅力的で愛さずにはいられません!

その緻密なキャラクター設定やデザインは『ズートピア』等にも全くひけをとりません!物凄い熱量とバランス。スタッフには盛大な賛辞を心から送りたい!

色々なキャラが混在する中でも一際輝く、つり目がちな独特の女性キャラクターたち男のケツを叩く、強いひとばかり!こりゃ男も尻に敷かれますわ!

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▲今回の話の中心はこのマリアと誰が結婚するか。強気ながら絶対的なヒロインオーラを放っております。腕っ節も強い!

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▲死後の世界を統べるラ・ムエルテ。風格と愛嬌・慈悲を備えた、ある意味で真のヒロイン(笑)

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▲そして注目はサンチェス家の姉妹剣士!強いながら二人のやり取りも面白く超魅力的!チョイ役なのが惜しい!

男性陣も負けておりません。主人公マノロも芯が強い正統派主人公で好感持ち、親友でライバルのホアキンも筋肉バカ系ですが良い味だしてます。どちらも憎めないキャラですぜ!

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なんと米国版のホアキンの担当声優はあのチャニング・テイタム!最高の台詞が飛び出しますので聞き逃しなく!

 

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▲おじさんキャラは極端なデザインだけど愉快で楽しいキャラばかり。そして豚(笑)

 

本当に全てのキャラが魅力的で、無駄なキャラなんて一人もいない!!

これは実に凄いこと。この愛すべきキャラクターたちと、おもちゃ箱をひっくり返したようなメキシカンかつファンタジーな世界観はどっぷりハマれること折り紙付き!

そして音楽もメキシカン風味でパワフルな曲が多くどの曲も絶妙。主人公マノロがなんとradioheadの「Creep」を弾き語りしているシーンも飛び出してビックリ!監督はradiohead世代なのでしょうね〜

家族愛、親子愛、男女愛、友情とあらゆる愛の形も描かれ、このてんこ盛りな内容なのに全く破綻せず抜群なバランスを保つ監督の力量には驚嘆せざるを得ません。あとはその目で確かめてください!何卒!

 

▼こんなに面白い要素ばかりなのに何故ここまで日本で無名なのか?

だいぶ個人的主観でキャラを中心に本作の魅力を紹介してきましたが、ここで何故があまり観ている人が少ない(知られていない)のでしょうか。実際筆者もその存在を知らなかったですし…

その理由ついて個人的な考察なのですが、ずばりタイトルとジャケットがピンと来ない点が大きいと考えます。単純にディズニーやピクサー作品の二番煎じ感は否めずインパクトが弱い点もありますが。

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▲海外版ポスター。なんちゃってトイストーリーにしか見えないとゆうか…

本作の製作費は5000万ドル(いやこのアニメクオリティでこのお値段は破格の安さでは!?)。世界興行収入では1億ドルとまあまあな結果を出しておりますが、いかんせんやはり地味華やかなディズニーやピクサー作品に比べ本作の監督や制作会社も知る人ぞ知るレベル。どうしても地味になってしまうのは仕方がないのか。

アニメーションは基本的には子供向け。カラフルな背景は良いけど、メインキャラとは言え、このねーちゃんとオッサン(本当はおにーさん)が正面に立ってては面白そうに見えない!主人公が青年なのも地味な要因か…

せめて死者の世界のサンチェス一家を前面に出した方が『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』感が出るので、それに釣られて手に取る人が増えるのにムキー!

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▲主人公の家系の皆様(死者の世界なので全員故人)。死者はみんなナイトメア〜のジャックみたいな風貌になります(笑)超魅力的かつユニークでパワフルな家系!

そしてこの作品のタイトルは「ブック・オブ・ライフ」。え?何?命の本?何それ??

確かにタイトルに意味はなくはないんですが、実はそんなにストーリー的に重要な要素でもないのです(ガカーン)。他にもっと重要な要素あるだろうに…

しかもタイトルから内容がイメージしづらい。ヒューマンドラマとかのジャケットならこのタイトルでも生きるのですが… これアニメ映画です。 『パシフィック・リム』でもそうでしたが(タイトルからロボ怪獣バトルものと誰が想像できる!?)、どデル・トロさんもうちょっとタイトルに気合いれましょうぜ… タイトル超重要!

 

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▲一応日本盤は「マノロの数奇な冒険」というサブタイトルが入ってますがそれでも内容がイメージしにくい…

お陰様で日本ではDVDのみのリリースに。そう、日本ではBlu-rayすら出ていないのです!こんなに超美麗かつ大画面映えする世界観と映像なのにBlu-rayが日本盤で出ないなんて拷問ですか…

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▲鑑賞後、あまりの素晴らしさに海外版Blu-rayをすぐさま注文しました!これはより良い環境で観るべき作品です!!

あと日本版の吹き替え声優があまりにも上手すぎて素晴らしすぎるのでそこも是非ご注目を。本編のテンポの良い笑いが更に日本人向けにパワーアップされて絶妙な間やノリを楽しめます!もっ、最高。

 

▼おとなもこどもも、おにーさんも。少しでも多くの人に観てもらいたい!

こういう正統派に純粋に面白い作品というのは魅力を伝えるのが実に難しいのですが、少しでも多くの人が興味を持ってもらえれば幸いです。老若男女全てにオススメ出来る、愛と笑と希望の冒険物語!

近年では「アナと雪の女王」や「ズートピア」等女性が主役なアニメーション劇場版が旋風を巻き起こしてますが、一人の青年が自分の意思で人生を切り開いていこうとする本作も決して負けておりません。

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▲メキシコ風「死者の日」テイストなイメージ。カッチョイイ!

日本で劇場上映は「新千歳空港国際アニメーション映画祭2015」のみ。今後なにかしらの形で本作の劇場上映が実現するなら是が非でもかけつけます!いや、むしろやらないなら自分がいろいろと掛け合って実現したいです。

そんな気にさせてくれる『ブック・オブ・ライフ』。あまり置いてないかもですが是非ともご鑑賞を!マジで!

 

「書いているんだよ今、君は!自分自身の物語を!」

 

 

by 桑江 良輔 a.k.a 店主

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