映画にハマるきっかけとなった熱過ぎる講義『ハリウッド白熱教室』の魅力とは!?

先日、首都圏に大雪が降りましたね!暖冬?何それ幻想だったのでは… と思うレベルの寒さに驚愕している木村です。

さて今回は、映画が好きな方はもちろん、あまり興味が持てない…という方にも是非観て欲しい「番組」情報をお届けしたいと思います。

◆『ハリウッド白熱教室』をご存知ですか?

毎週金曜日、Eテレにて午後11時から放送中の白熱教室シリーズ。この番組では主に様々な国の大学教授や作家の方々が各分野について講義をしたものを放送しています。

その“映画”版がこの『ハリウッド白熱教室』です!

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出典: http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/hollywood/

実は私が映画を大好きになったキッカケがこの番組。番組を観ていなかったらファンダンゴで記事は書いていなかったかも…。

木村のライター紹介ページにもこの番組の存在はチョロっと書かせていただいたのですが、今回はもっと踏み込んで紹介したいと思います!

その内容とは…

123日公開の新作『ザ・ウォーク』のロバート・ゼメキスや、SWシリーズのジョージ・ルーカスを輩出したアメリカの名門・南カリフォルニア大学ドリュー・キャスパー教授映画についての講義をまとめたものです。

当サイトの名前の由来にもなった映画『ファンダンゴ』の監督ケビン・レイノルズもこの大学に在学していたそう!あらゆる年代の作品のシーンを挙げ、作り手側や専門的な視点から“映画の観方”を解説する内容でした。

(ハリウッド白熱教室 公式HP http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/hollywood/ )

◆作り手側、専門的な視点から観る映画とは…?!

キャスパー教授は「映画は綿密に作り込まれているからこそ、その見方を学ばなければ味わい尽くすことはできない」と語ります。

脚本(物語)はもちろん、撮影におけるフレーミング照明編集音楽スクリーンに映らない部分の演出まで。映画ではあらゆる演出が、作品が伝えたいテーマを炙り出してくれるということをキャスパー教授の講義の中で気づかされます。

例えば、第4回「編集」の講義の中で、映画『チャイナタウン』の最後のロングテイクシーン(カットを割らないで構築されるシーン)から、この作品のテーマを解説してくれる場面でのキャスパー教授の考えに息を呑んでしまいます。

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出典:http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/hollywood/130628.html

▼『チャイナタウン』最後のロングテイクから導き出すキャスパー教授の考え

(番組では、チャイナタウンのラストシーンを観せてからキャスパー教授が話し始める流れになっている)

チャイナタウンのストーリーから、キャスパー教授は「すべての運命はつながっていて、抜け出すことができない」というテーマを提示します。

ラストシーンではヒロインが最後に撃たれます。ヒロインは父親に肉体関係を強要されていて、自分の娘をめぐる関係から逃れることができない状況。最後のロングテイクは、こうした「運命の避けがたさ」を暗示しているというようにキャスパー教授は解説しております。

▲不朽の名作、ロマン・ポランスキー監督作『チャイナタウン』

作品を観て「画面に何が映されていて、それが何を意味するのか」くらいなら考えることはあると思います。

「すべての運命はつながっている」というその「つながり」の意味が、「カットを割らない繋がった1シーン」、つまりロングテイクという撮影の“技法”に込められているという考え方を知り、私は非常に感銘を受けました!

文字を持たない画面の演出からテーマを引き出す楽しさは、一通りではないし一筋縄ではいかない。だからこそ色んな解釈ができる。その楽しさを知ったら映画の面白味から抜け出せなくなりました。

◆難しさを吹っ飛ばす!キャスパー教授の人物像

演出…?考察…??と聞くと難しそうと思う方もいるはず。特にこの手の話題は、教授がひたすら話して生徒は聞くに徹するみたいな形だと150%楽しくない…正直寝ちゃいますよね!

でもキャスパー教授は違います。

とにかく生徒に振る!すぐに解説するのではなく、生徒と対話をしながらそして生徒を巻き込みながら進められる講義はまさに参加型。

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出典: http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/hollywood/130607.html )

もちろん私たち視聴者が教授と対話できる訳ではありませんが、同じ質問を自分がされたら何と答えようかと考えさせられる緊張感が画面の外からでも伝わってきます

生徒が自分の持たない考えを披露すれば、なるほどー!と感嘆し、間違った時にはオイオイと突っ込んでくれるキャスパー教授。時に鼻歌も披露してくれたり…

他にも作品の分析だけでなく、演劇と映画の違いや物語の歴史など、「映画とは何か」を考えるキッカケになるお話をサラリと話に交えてくる約1時間の講義。本当にあっという間に時間が過ぎていきます。

◆木村ちゃんとハリウッド白熱教室

私は元々本を読むのが好きで、将来は文学部とかに進学し文学を学びたいなどと思っておりました。そんな時にこの番組を見て、映画って本を読むことと似ている!と思いました。

改めて考えると映画におけるショットは文章、シークエンスは章立てと言われていたり、行間を読む行為はセリフのない沈黙と似ていたり。

ただ、本と違うのは映画には画面の力があるということこう思わせてくれたのも『ハリウッド白熱教室』のおかげです。

もしかしたら昔の私のように全く映画に興味が持てなくても、これがキッカケで映画に興味を持ってくれるのではと思い、今回この記事を書かせて頂きました。

◆『ハリウッド白熱教室』はいずこへ…?

と、こんな感じに熱く語ってきたわけですが『ハリウッド白熱教室』っていつやってんの?!と思った方もいるはず。

ハッキリ言います。公式を見て貰えば分かると思いますが、この『ハリウッド白熱教室』のシリーズは終わっています!!!再放送日も未定です!!!(冒頭でも述べましたが『白熱教室』自体は放送中です~)

えええ…とガッカリしたそこのあなた、安心して下さい。

書籍が出ています!!!

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\勿論、わたしも買いましたよー!/

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番組の内容を文字に起こした書籍なので、とても読みやすいです。 この本を片手に、講義で取り上げられている映画を見るのも面白い映画鑑賞スタイルかも?

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▲講義の熱い内容が対話形式で展開されていきます

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こういった図解での分かりやすい説明もありがたい!

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これから映画を知りたい方にはまさに一生モノの一冊になるのではないでしょうか?(もちろん、映画ファンも必見です!)

 

書いた人:木村 桃子

kimura

1996年東京生まれ。俳優だった父と演歌歌手だった母のもとでスクスクと成長。現在、日本大学 藝術学部 映画学科にて映画を学ぶ19歳。

主に映画理論や批評分野を専攻しながら、将来は“新しい映画の見方”の発掘を夢みる。作品分析の他にも、上映環境と作品の関係性についてなど日々考えを張り巡らせている。

趣味はアニメ鑑賞と映画祭巡り。三枚目キャラが際立っているアニメは大体すき。せっせと円盤を集めながら、都内を飛び出した各地の映画祭にも足を運んでいる。ただいま大学の友人と、映画史における重要作品のファンアート展示・企画展を計画、作品製作中。

「木村ちゃんって呼ばれると何だかとっても嬉しいです!」

木村桃子twitterアカウント

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